高橋修平さん 高橋佳子さん
切削一筋50年 高橋産業
54号線沿い、宍道町と加茂町の境にある宍道南工業団地にある株式会社高橋産業。
社長の高橋修平さんと専務の高橋佳子(よしこ)さんに、工場見学をさせてもらった。
様々な機械部品を作っている。丸・四角・細長いもの。
一人ずつ、従業員が違うものを作っている。
出来上がった部品はどれも細かいものでピカピカ。触るとつるつるすべすべ。何を作っているのかわからないが、どれもみな美しい。
平たくて細長いものは、鎖を付けてペンダントにしたいくらい。
精密なものなので、温度や湿度そしてごみやほこりは素晴らしく管理されていて、工場というイメージとは違い、清潔できれいなのに驚いた。
切削一筋50年。
現在は19名の職員が在籍し、23歳から65歳までベテランの方が多いようだ。
昭和48年創業。当時は少品種で経営していた。
2代目社長(現会長)は、少量多品種あらゆる金属加工に経営改革をした。
そして平成25年。3代目社長として高橋修平さんが就任した。
3代目社長・高橋修平さんと専務・佳子さん
高橋家は3人姉妹の女系家族。
専務である佳子さんは二女。
後継ぎに悩む両親を見て、修平さんと相談し、後継ぎになった。
修平さんは、卒業後大阪で自衛隊に入隊し4年。
その後島根に戻り、佳子さんと知り合った。
婿入りし、高橋産業で仕事を始めるが、まったくの畑違い。
現場で一から教えてもらった。
その頃のことは、『知らないことを覚えることがとにかく楽しかった』と修平さんは笑う。
穏やかで優しそうな修平さん。
きっと皆さんから好かれる人柄で、打ち解けていったのだろう。
佳子さんは、経理を母から教えてもらった。
なんでもきちんとしないといけない几帳面な性格。
平成25年修平さんが社長に就任。
当時の修平さんは経営についてはほとんど分からず、当初は何かにつけて現場に逃げ込んでいた。
そのため佳子さんとは、社長と専務という立場で喧嘩が多かったという。
佳子さんは社長に相談しても反応が悪く、イライラしていたとか。
それから約6年、経営について猛勉強した修平さん。
『今はすごく幸せです。』
おおらかな修平さんと几帳面な佳子さん、お互いの性格を補い合えるいい関係でいられる喜びの言葉が何度も、佳子さんの口から出てきた。
創業50年、さてこれからは?
二人には4人のお子さんがいる。
大学二年生、高校一年生、そして中学三年生の双子と、全員女子。
女系家族なのです。
『大変じゃありませんか?』修平さんに聞いてみた。
『まあ、女子ばっかりなのでとってもにぎやかですよ。』
おおらかな性格はここでも発揮されていた。
創業50年。社長として6年。
同業他社や異業種団体の交流の中から、いろいろ学ぶことがあるという。
会長からは自分で考えて、様々なことをやりなさいと言われている。
修平さんと佳子さんには人材育成という共通の目標がある。
社員の高齢化による世代交代、また、社長の片腕となる幹部の育成が急務と口を揃える。
そしてちょっと早いけど事業継承の話。
高橋家において、次の跡継ぎもまたまた問題です。
4人の女子のうち、長女と3女が後を継ぎたいと言っているのだとか。
特に3女は「自分が初代女社長になるから、おかあさんは社長にならないでね」 なんて言っているらしい。
佳子さん同様、お子さんたちも経営者一族の中で育ち、仕事に邁進する両親と暮らす環境が自然と逞しい心を育んでいるに違いない。
優しい父と几帳面な母。
4代目はどんな経営をされていくのでしょう。
(2021年3月 取材)
「お客様との絆を大切に最高のパートナーを目指します!!」が合言葉。精密機械部品加工の分野において、常に新しい技術・知識を求め真心をもってお客様と向き合い、決して立ち止まらずに進み続けます。
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